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2009年3月アーカイブ

土曜日朝積もっていた雪も日曜には完全に解けた。やっぱり春の雪だ。

野ねずみトラップの戦果は今日までにあらたに49匹。これまでの5日間の合計はついに94匹になった。100匹の大台はまちがいない。ワナ1個あたり4匹平均。最大7匹もかかったのがあった。つまり、野ねずみは1グループ4匹以上いるということだろう。4匹平均プラスかからなかったやつ、のことを考えると、6匹、7匹というのが野ねずみの平均的ファミリーの家族数ではないかな。

これだけ捕っても、1年もすればまた元通りに増えているかもしれない。
捕っても無駄、という見方もできるかもね。畑の回りからすぐに別のねずみが入ってくるからだ。

hashitsugi-1.jpg無農薬、無肥料、草ぼうぼう、の自然栽培だとどうなるのだろう。畑の脇には放任園というのがあちこちにある。もともと農地だが、所有者が耕作を放棄した土地だ。草刈りしないので、荒れ放題。まあ良く言えば「自然にもどった」ということか。たいてい野バラが繁殖している。土はふかふかしている。野ねずみもいっぱい住んでいる。いつも土の中を掘り進んでエサを食べているので、まあ、耕耘機みたいなものだ(良く言えばね)。

ああ、「自然」はすばらしいなあ。こういう畑から「奇跡のリンゴ」はとれるのだろう。
右の写真は野ねずみの被害例。(2005年春・雪解け後)

無農薬・無肥料栽培についてのこれまでのブログ記事:
無農薬・無肥料で「奇跡」のリンゴ
無農薬「奇跡のリンゴ」は有袋栽培

今朝、起きてみたら雪が積もっていた。10センチを超えている。まだ降り続いている。

2、3日前から車のスタッドレスタイヤを交換しないといけないなあと思っていた。ふつう今ごろになると、ちらつくことはあってもすぐ解ける雪、「降っては消える春の雪♪」だ。地面が見えていた畑も、完全に真っ白にもどってしまった。

きのうまでの2日間で、畑の野ねずみトラップに合計45匹がかかった。きのう新たに5個のワナを追加したから、あと10匹くらいはかかるだろう。ワナといっても大した仕掛けではない。1個98円のふつうのねずみ取りだ。

捕ったねずみを不用意に畑に放置しておくと、カラスが食い散らかすから気を付けないといけない。ねずみ取りもバラバラに喰いちぎって、かかったねずみを跡形もなく食べていく。畑に残るのはねずみ取りの残骸だけ。ちょっと木の枝で隠したくらいでは必ず見付けて引っ張り出す。カラスの目はごまかせない。

カラスといえば農家にとっても嫌われものだが、先日畑で剪定をしていたら、近くの樹に止まっていた一羽がさっと地面に舞い降りて、何かをつかまえてすぐに舞い上がった。チーチーチーとかすかな悲鳴が聞こえた。野ねずみをハンティングしたのだ。土の穴から一瞬地上に姿を見せたねずみをカラスは見逃さなかった。

野ねずみの天敵については、もう10年以上前に、果樹園の生き物のページで書いている。

カラスを弁護する人はあまりいないが、カラスは掃除屋であって、自然動物の死骸をきれいに片付けてくれる清掃ボランティアなのだ。彼らがいないと、死んだ鳥、腐ったタヌキやサル、ウサギなどなど死骸が野原や山に散乱したままで、ひどいことになる。

雪が畑から完全になくなって1週間近くたつ。地面が出ると、そこらじゅうに野ねずみ(正式名ハタネズミ)が根雪の下で動き回った跡がいっぱい見えてくる。さいわい今年は積雪が少なかったので、幹をかじられる被害はほとんどなかった。土の中の根っ子はたぶん少しやられているだろう。

きのう午前中に畑に仕掛けておいた野ねずみトラップを今日見回ったら、さっそくかかっていた。16カ所のうち10カ所にかかっていた。総数22匹の大漁だ。仕掛けた罠のうちひとつには6匹もかかっていた。すごい。あしたあたりあと5,6カ所、増設することにしている。

去年は罠を仕掛けるのが時期的におそかった(4月になってから)せいもあって、たしか合計28匹くらいだったから、今年はそれをおおきく上回ることになるだろう。去年のばあい根雪になる直前の11月にも仕掛けて17,8匹だかしとめた。それを考えると、畑のネズミ密度の高さはすごいものだと感心する。ネズミ算とはよくいったものだ。捕って捕っても無尽蔵だ。地域の特産品にならないか。
去年の『現代農業』(月刊誌)を見直していたら、10月号に木村秋則氏のリンゴ畑が載っていた。

写真を見たら、有袋栽培なのだ。『自然栽培ひとすじに』には食酢だけで虫も防げるとあったので、うさんくさい話だと思っていたが、袋かけをしているなら話は分かる。木村氏の著書にはひとこともそんなことは書いてなかった。

有袋栽培ならシンクイムシなどを防ぐことができるだろう。有袋栽培は「奇跡」でもなんでもない。それに、実だけ守っても葉っぱは守れない。葉っぱの大事さは実と同様だ。虫やダニにやられたら終わり。

有袋栽培のデメリットについては、リンゴ農家なら誰でも知っているから、ここでは書かない。
ひとこと言えば、無袋栽培のほうが有袋栽培よりもずっと「自然」に近いだろう。ちがうかな?

シンクイムシ予防は有袋栽培で、病気予防には食酢を手散布する。食酢というところだけを殺菌剤と言い替えれば、そっくりそのまま何十年か前の果樹園でふつうに見られた風景だ。もういちど、それをやれと言われても、まともなリンゴ農家ならやる気は起きないだろう。過労死したくないから。

2町歩の畑を食酢の手散布! リンゴ農家ならそれがどういうものか分かる。スプレーヤ(自走式散布機)でかけたって夜明けから休みなしでお昼までかかる。それを手散布にしたら1日で散布作業は終わらない。2日でも終わらないだろう。第一、暑い日中には散布作業をしないものだ。かける人間も暑くては死んでしまうし、リンゴの葉っぱにとっても日中の散布はストレスになる。そのうえ雨や風、天候はいつもいつも都合がいいとは限らない。

2町歩の畑でリンゴの袋かけ! いったい、木村園では何人の労働力でリンゴ2町歩をつくっているというのだろう。2町歩と言えば300から400本の木が植わっているだろう。リンゴの果実数にすると20万から30万個だ。わお!! 袋かけには適期がある。かけた袋は適期に外さなければいけない。口で言うのはカンタン。やってみたら分かるでよ。家内労働だけでは不可能だろう。人を雇わないととても。その人件費はどうする、、、、。しかも季節労働、、、。そのリンゴをなんぼの値段で売るのだろうか?

3月5日の関連記事:無農薬・無肥料で「奇跡」のリンゴ
こんな「奇跡」を持ち上げているNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」や朝日新聞読書欄の担当をされる方々は、ぜひ労働奉仕をしてみたらいかがか。毎日夜明けから日暮まで、うるわしいタダ働きボランティアを。雨の日も風の日も。

090319-yukidoke1.jpg去年の暮れから今に至るまで、政治家、経済学者、財界人、マスコミ、ねこもしゃくしも「百年に一度の危機だ、たいへんだ」とくり返している。このことばは、昨年、アメリカ連邦制度準備会(FRB)の議長バーナンキが言ったことばだったと記憶している。たぶん、これは1920年代におきた世界恐慌とならべるために使ったことばだろう。要するに、20世紀初めに1回、今世紀初めにまた1回、ということだ。

しかし、わざわざ言うまでもないかも知れないが、その前の世紀つまり19世紀、18世紀にも「百年に一度の危機」があったんですかね? ひょっとして、「百年に一度の危機」がこれまでの歴史で1回しかなかったとしたら、それは「百年に一度の」とは言いませんよね。すくなくとも3回くらいは同じことがなければ。。

てなわけで、こういう言葉を使っている人はお馬鹿さんだということになるだろう。どこかの国の総理大臣だけではない。

ニッポンには、こういう、アメリカのお偉いさんが言うことをそのまんま直輸入して、そのまんま当たり前のように使う人間がいっぱいいる。自分では何も考えないお偉いさんが、ニッポンの政界、学界、経済界、言論界をリードしている。それから、「サダム・フセインは大量破壊兵器を隠している」というブッシュの宣伝文句をそのまんま信じたお馬鹿さんもニッポンにいっぱいいた。オバマが Change! と演説すると、猿まねニッポンでチェンジが流行だ。(山形県知事選挙でもあったね)

そのオバマは大統領就任以来、「テロとの戦い」ということばを使うのをやめたそうだ。何という言葉で表現しているのか知らないが、ブッシュ政権が世界中にまきちらした「テロとの戦い」という大看板、キャッチフレーズをひっこめることには違いない。じゃあ、アメリカさんの大好きなニッポン人はこれからは何という言葉を使うのだろう。答えはオバマが何と言うかに決まっている。それを翻訳して使うに決まっている。インド洋の自衛隊無料ガソリンスタンドも、これからは「テロとの戦い」ということばを使ってはいけないのだ(笑)。マスごみもこれからどう対応するのか、見物ではある。

つまり、何が言いたいかと言えば、ニッポン人は自分のアタマでは何も考えない民族らしいということだ。自分の言葉を持っていないということは、自分で考える能力がないのと同義語だ。

このことは、日米同盟をやたらと「強化」したがるアホな人たちに共通している、思考停止病だ。たとえば、小沢一郎が在日米軍について「将来は第7艦隊だけでいいのじゃないか」とひとこと発言すると、自民党の思考停止国会議員は、小沢はアホだ無責任だ、と騒ぎ出す。何のことはない。彼ら思考停止人間のアタマの中は空っぽで、アメリカさんの作った世界戦略用語集、軍事用語集がそっくりそのままインストールされているだけのことなのだ。

コンピュータは頭がいいように見える。しかし自分で考える能力はない。ウィンドウズのパソコンはマイクロソフトが作ったようにしか動かない。
畑にまだ雪がある季節、業者が農家を招いて農薬や肥料の説明会を開くことが恒例になっている。先月もある説明会で、ミツバチと農薬の関連についてかんたんな説明を聞いた。

説明会で配布された県の資料では、水田のカメムシ防除用につかわれるネオニコチノイド系殺虫剤が養峰業者のミツバチに危害をあたえる可能性を言っている。ようするに、農薬の使いかたに注意しろということだ。

こういう指導がでてきた直接のきっかけになったのは、2005年8月に岩手県下でおきたミツバチの大量死。養蜂業者組合が全農を相手に損害賠償訴訟を起こした事件だ。全農は問題の農薬を販売したという関係だ。この訴訟は2007年に和解したらしい。
dscf0007.jpg確定申告もおわって、さあ畑仕事だ。と言いたいところだが、今日は猛吹雪だ。

で、前から買ってあった 『国家の罠』(佐藤優著)を読むことにした。

「国策捜査」の当事者(被逮捕者)の書いた話で、とても面白く読める。2005年に出版されたものだからそれほど新鮮ではないが、いまの小沢一郎をめぐるニッポンの社会状況からして一読の価値は非常に大きい。

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佐藤優(外務省官僚)は鈴木宗男自民党代議士(当時)とともに東京地検特捜部によって逮捕された。2002年、小泉政権のもとでだった。世界はアメリカのアフガニスタン侵攻後の激動期にあった。タリバン政権を早々につぶしたブッシュ政権は、つぎのターゲットをイラクのフセインに定めて動いていた。佐藤の書くところでは、逮捕されたのはいわば「地政学論」派、ロシア・スクール派の流れだった。この事件で、ロシアとの関係改善派が政界と外務省から追放された。

小沢一郎は外交政策で見れば、中国重視派、日米対等関係派といえる。クリントン国務長官の来日前後にも、「日米と日中は二等辺三角形だ」、という小沢の発言が伝えられた。このブログの3月4日の記事に書いたが、そういう点から言っても、小沢秘書逮捕の背景に日米関係があるとみるのは無理がないことだろう。たんに表向きの自民VS民主でないのはもちろん、小沢VS霞ヶ関の対立だけでもないということ。

こういう、外交関係や政治家官僚の力関係の問題の、その流れを変えることをねらって「捜査」が発動される。その手段でいちばん国民の支持を得やすいのは「カネ」のスキャンダルだ。マスコミが大々的に汚いカネ、カネ、カネと連呼すれば、その政治家や企業や個人はどんなに力があっても有能であっても無実であっても社会的に抹殺できる。カネにさもしい人間ほど、他人のカネを妬むものだ。

今日もあたたかな1日だった。最高気温は10度をこえた。

残雪が20?30センチの畑で剪定をしていたら、なんとマメコバチが1匹飛んできて肩に止まった。だれかの畑に冬も置きっぱなしの巣箱から出てきたのだろうか。間違ってもらっては困るが、まだ3月9日だぜ(麻生太郎風)。花なんてどこにも咲いてねエ、まずこれが第一点(麻生太郎風)。キホン的に、一面が雪の原だということ、これが一点(麻生太郎風)。

こんな早いの見たことがねえよ。ちょっと、世の中かなり異常だぜ。
日曜夕方、NHK番組『海外ネットワーク』がある。
今のキャスターは長尾香里という女性記者だ。前任者の道傳愛子さんは穏健で好ましかった。

今のキャスターは非常に不快な人物だ。
以前から、鼻につく態度が気になっていたが、きょうはアフガニスタン・タリバンの話題。その、いわば芸能ワイドショーがくさったような、「背筋が寒くなる」長尾氏のコメントはひどかった。これが記者、ジャーナリストを名乗る者の姿勢といえるのか。

もちろんテレビ番組は多くのスタッフで制作されている。報道番組もとうぜん組織の報道局の方針が反映される。この日のメッセージは、「タリバンはぞっとするほど酷い人たちだ」ということだった。番組はそのメッセージを発信するために作り上げられた、ヤラセのにおいがプンプンのストーリーだった。オバマの対アフガニスタン政策にこびを売るキャンペーンが、ニッポンのテレビ新聞でこれから活発になるのだろう。

早すぎる雪解け

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また「記録的」暖冬で春が早い。もう畑の根雪も30センチ以下しかない。幹の根元はもちろん地面が顔を出している。今年は、雪が積もりやすい母屋と機械小屋の雪下ろしを1回した。たった1回というのもめったにないことだが、屋根に積もった量もぜったい下ろさねばならないというほどの深さではなかった。しかも方屋根の作業小屋は一度も雪下ろしをしなかった。わたしも雪下ろし歴25年くらいにはなるが初めてのことだ。

リンゴの剪定作業もどんどん進む。雪の量としては半月か1ヶ月近く進んでいる感じだ。ふつうの年よりも土が見えるのが早いので、仕事もとうぜん早く進めなければいけなくなっている。このパターンで問題なのは、花が早く咲いたとたんに寒波が来る危険があることだ。

sentei_090307-1.jpgsentei_090307-2.jpg

おくりびと

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今日は朝から雨降りで、さすがに畑仕事はできない。それで、どうも遅くなったが、『おくりびと』を観てきた。

映画館は平日の昼間ということもあって、じじばばで溢れていた。さすがお迎えも近い後期高齢者映画?だ。足元も怪しい婆さんもいた。もうすぐ「おくられびと」になるのだろうね。と言っても、わたしも似たようなものだが。。

山形県庄内地方が舞台で撮影された映画だから、話のつまみに観なければならないと思っていた。その意味では、アカデミー外国語映画賞の受賞おめでとう、と言っておこう。おいしい米沢牛ですき焼きをつくるシーンも出てきたことだし。。。

映画そのものについて言えば、評判倒れだ、というのが率直な感想だ。しいていえば努力賞級か。前評判で涙がぽろぽろという話も耳にしていたが、肩すかしを食った。こまかいことを書けばキリがないが、ようするに映画としての完成度が足りないと思う。素材=死、遺体、送る者送られる者、という素材の重みはわかる。しかし、その素材をふくらませるシナリオも役者の細かい演技についても、世界レベルでみてとくに優れているとは思えない。西洋人の価値意識からみればじゅうぶん面白いのかもしれないが。。。残念ながら、これがほんとにオスカーか、と疑いたくなった。

前にもどこかに書いたが、アメリカ映画界はもはや崩壊過程にある。コンピュータ・グラフィックスやらのこけおどし画面でごまかしている映画がほとんどだ。低レベル。だから、アカデミー賞の権威ももうまったく落ちぶれた。アメリカ文化そのものの衰退は隠すことができない。

日本映画が選ばれたのは、やっぱり日米同盟の強化に貢献するためなのだろう。そう、あらためて思ったのだった。笑い。

新聞やテレビに取り上げられて目に付くようになった『奇跡のりんご』。先日も朝日新聞が日曜の読書面で「売れている本」でもちあげていた。わたしは見てないが、NHKテレビ 『プロフェッショナル?仕事の流儀』で茂木健一郎がもてはやしたのがキッカケらしい。

この青森の木村秋則氏による「自然栽培」農業については、現地の畑を見学したわけでもないので、無責任なことは書けない。しかし、なんだかなあ、であるよ。

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