吹雪の日には読書が似合う / 国家の罠

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dscf0007.jpg確定申告もおわって、さあ畑仕事だ。と言いたいところだが、今日は猛吹雪だ。

で、前から買ってあった 『国家の罠』(佐藤優著)を読むことにした。

「国策捜査」の当事者(被逮捕者)の書いた話で、とても面白く読める。2005年に出版されたものだからそれほど新鮮ではないが、いまの小沢一郎をめぐるニッポンの社会状況からして一読の価値は非常に大きい。

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佐藤優(外務省官僚)は鈴木宗男自民党代議士(当時)とともに東京地検特捜部によって逮捕された。2002年、小泉政権のもとでだった。世界はアメリカのアフガニスタン侵攻後の激動期にあった。タリバン政権を早々につぶしたブッシュ政権は、つぎのターゲットをイラクのフセインに定めて動いていた。佐藤の書くところでは、逮捕されたのはいわば「地政学論」派、ロシア・スクール派の流れだった。この事件で、ロシアとの関係改善派が政界と外務省から追放された。

小沢一郎は外交政策で見れば、中国重視派、日米対等関係派といえる。クリントン国務長官の来日前後にも、「日米と日中は二等辺三角形だ」、という小沢の発言が伝えられた。このブログの3月4日の記事に書いたが、そういう点から言っても、小沢秘書逮捕の背景に日米関係があるとみるのは無理がないことだろう。たんに表向きの自民VS民主でないのはもちろん、小沢VS霞ヶ関の対立だけでもないということ。

こういう、外交関係や政治家官僚の力関係の問題の、その流れを変えることをねらって「捜査」が発動される。その手段でいちばん国民の支持を得やすいのは「カネ」のスキャンダルだ。マスコミが大々的に汚いカネ、カネ、カネと連呼すれば、その政治家や企業や個人はどんなに力があっても有能であっても無実であっても社会的に抹殺できる。カネにさもしい人間ほど、他人のカネを妬むものだ。

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