無農薬「奇跡のリンゴ」は有袋栽培

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去年の『現代農業』(月刊誌)を見直していたら、10月号に木村秋則氏のリンゴ畑が載っていた。

写真を見たら、有袋栽培なのだ。『自然栽培ひとすじに』には食酢だけで虫も防げるとあったので、うさんくさい話だと思っていたが、袋かけをしているなら話は分かる。木村氏の著書にはひとこともそんなことは書いてなかった。

有袋栽培ならシンクイムシなどを防ぐことができるだろう。有袋栽培は「奇跡」でもなんでもない。それに、実だけ守っても葉っぱは守れない。葉っぱの大事さは実と同様だ。虫やダニにやられたら終わり。

有袋栽培のデメリットについては、リンゴ農家なら誰でも知っているから、ここでは書かない。
ひとこと言えば、無袋栽培のほうが有袋栽培よりもずっと「自然」に近いだろう。ちがうかな?

シンクイムシ予防は有袋栽培で、病気予防には食酢を手散布する。食酢というところだけを殺菌剤と言い替えれば、そっくりそのまま何十年か前の果樹園でふつうに見られた風景だ。もういちど、それをやれと言われても、まともなリンゴ農家ならやる気は起きないだろう。過労死したくないから。

2町歩の畑を食酢の手散布! リンゴ農家ならそれがどういうものか分かる。スプレーヤ(自走式散布機)でかけたって夜明けから休みなしでお昼までかかる。それを手散布にしたら1日で散布作業は終わらない。2日でも終わらないだろう。第一、暑い日中には散布作業をしないものだ。かける人間も暑くては死んでしまうし、リンゴの葉っぱにとっても日中の散布はストレスになる。そのうえ雨や風、天候はいつもいつも都合がいいとは限らない。

2町歩の畑でリンゴの袋かけ! いったい、木村園では何人の労働力でリンゴ2町歩をつくっているというのだろう。2町歩と言えば300から400本の木が植わっているだろう。リンゴの果実数にすると20万から30万個だ。わお!! 袋かけには適期がある。かけた袋は適期に外さなければいけない。口で言うのはカンタン。やってみたら分かるでよ。家内労働だけでは不可能だろう。人を雇わないととても。その人件費はどうする、、、、。しかも季節労働、、、。そのリンゴをなんぼの値段で売るのだろうか?

3月5日の関連記事:無農薬・無肥料で「奇跡」のリンゴ
こんな「奇跡」を持ち上げているNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」や朝日新聞読書欄の担当をされる方々は、ぜひ労働奉仕をしてみたらいかがか。毎日夜明けから日暮まで、うるわしいタダ働きボランティアを。雨の日も風の日も。

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何が面白いのか知らないけど、一昨日からこの記事へのアクセスがやたら急増してる。それで
http://real-apple.sakura.ne.jp/BLOG/2013/06/post-367.html
を書いてみた。

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