この年末年始10日間ほどのあいだ、我が家のウェブに来た人の傾向について、軽く考察。
右の図は検索キーワードの統計データをグラフにしたもの。上位10番目までを示している。季節もので「年賀状 廃止」と「りんご 剪定」が目立つ。
まず年賀状廃止。これは日本人の「永遠のテーマ」ともいえる年賀状問題。この時期、いかに人々を悩ませているのかということの表れだ。やめたがっている人は少なくない。どうしたらいいか困っている人がいる。あなたもこのキーワードで試しに検索してもらうと、我が家のブログがヒットする。
わたしが言いたいのは、たんに正月は新暦で祝うものではないという点だけだ。旧暦で祝ったらいいよ。これに尽きる。年賀状廃止はしなくてもいい。年賀状は「虚礼」だから廃止しよう、など言うのはピント外れだ。礼儀とは本質的に「虚礼」だと思うからだ。儀式はどんなものであれ一種のフィクションであって、実体ではないし、実体である必要はない。そもそも「お早う」だって「今日は」だって中身なんかはない。中身を論じてもしょうがない。「だから必要ない」とはならない。
つぎはリンゴの剪定。果樹の休眠期が剪定のシーズンだ。雪がない地方はもう始めているだろう。雪国はもう少し後だ。これについては、なんでインターネットでこんなことを調べようとするのか、わたしには理解できない。10日くらいのうちに30人を超す人がリンゴの剪定というキーワードでやって来た。何なのだろう、この人たちは。去年まではこんな現象は無かった。
剪定は畑でやるものだ。ハサミとノコギリを握ってやるものだ。パソコンを使って学ぶ仕事ではない。インターネット上で剪定の勉強ができるわけがない。そう思うのが当たり前だと思うが、そうではなく思う人が世の中にはけっこういるらしい。不思議なことだ。
新しくリンゴ作りを始めようという人が世の中にそれだけ数多くいることの証拠だ、と思えば、その意味では大変結構なことだろう。いわゆる新規就農者というやつだ。それとも企業が不況で農業分野に新規参入しようとしているのか。
しかし、こういう人たちがいるという事実は、その人の身の回りに剪定を教えてくれるプロのリンゴ農家がいないこと、リンゴ畑がないことの表れだとも言えるのだ。つまりリンゴ産地ではない人がリンゴ作りをしようとしているのではないか。まったくの個人的趣味でリンゴ栽培をしようとしているのではないか。だからインターネットなんかから教えてもらおうとする。とすれば、つまらない話だ。