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2010年3月アーカイブ

マメコバチ問題

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mamekobachi2.jpgミツバチとネオニコチノイド系殺虫剤については、話が複雑になるので後に回す。

あてにならなくなったミツバチに代わるだけのマメコバチを、今後は確保しないといけない。

我が家のマメコバチはリンゴの木箱にヨシの巣筒をつめたもので飼っているが、箱数にして20近くある。1箱に5000本くらいは入っているだろう。昨日数えてみた内訳で言うと、かなり古くなった巣箱が6箱、4,5年は使ったものが7箱、2,3年以内のものが6箱だ。

巣筒が古くなると、マメコバチは天敵の寄生ダニやカツオブシムシに食われてしまうようになる。幼虫やサナギの段階でやられてしまう。平成20年に東根市農協が管内でやった調査によれば、4年以上のものはほぼ全滅、2年前後のものでも34〜50パーセントが死亡していたという。営巣割合(ヨシ筒全体に対する使われている筒の比率)は、高い園地で70パーセント、低い園地で10パーセント以下、という結果だ。

我が家もそんな感じだ。古い巣筒が多すぎる。管理が悪いからねえ。かなり古いやつは、筒を割ってみると全部コナダニやカツオブシ虫に食われてしまっている。4,5年以上使ったものでも死んだ筒の割合がかなり高い。生きている筒はわずかのようだ。これまで毎春、かなりのハチが巣箱から出てきて元気に飛び回っていたので、あまり気にしていなかった。
去年のマメコバチの状態は、「桜桃の咲き始めるころ」(2009年4月)

しかし実際に巣筒を割ってみて、そのひどさを改めて思い知った。

コナダニの寄生を抑えるためヨシの巣筒にかける薬剤(マリックス乳剤)があったが、これも去年で製造中止になった。ダニの薬剤防除ができないとなると毎年新しいヨシに更新したほうがいい。寄生ダニがつきにくくするためには、同じヨシの巣筒を何年も使ってはいけない。このこととミツバチ不足とがあいまって、山形県内で今年はヨシの巣筒需要が急激にたかまってきているらしい。

きのう、新しいヨシの巣筒を仕入れてきた。ほんとうは晩秋に自分で湿地に行って、そこに自然に生えているヨシを刈ってくるのが安上がりだ。しかし、そのヨシを適当な長さに切る作業やらなんやらの手間を考えると、やっぱり店から買ってきた方が格段に楽だし早い。カネをかけるか手間をかけるかと聞かれると、楽な方に走ってしまう怠惰なこころ。

最高気温が15度を超えるような日があると、マメコバチがそろそろ巣から出てくる。雪もあって出番はまだまだなので、昨日、巣箱を冷蔵庫に全部しまった。

ミツバチ問題

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我が家の周辺地区で、今年の春はポリネーションが中止されることになった。ポリネーションというのは、ミツバチを使った花の授粉のこと。去年の開花期におきた「大量死」の原因が農薬散布だった、として養蜂業者が巣箱設置を拒否した。

ポリネーションがまったく行われないという事態は、初めてのことだろう。どの程度、その影響が出るか、見当がつかない。各農家が自前で飼っているマメコバチが、ミツバチが抜けた穴をどのくらい埋めて働いてくれるかにかかっている。もちろん野生のミツバチやクマバチも多少の役割は果たすだろう。

去年の事故についてはこのブログにも書いた。
「ミツバチの大量死」が流行っている(2009年5月16日)

けっきょく去年の場合、原因の農薬分析は行えなかったので、状況証拠だけで判断されることになった。該当する期間(4月下旬)にあった農薬散布の中身が問題にされた。

しかし、農家から聴取された防除暦のかぎりでは、その期間に使われた農薬にはハチを殺してしまうようなものがひとつも入っていなかったようだ。ある農家が殺虫剤を使ったが、それは従来、ハチには無害とされてきた種類の農薬だった。いわゆるBT剤という分類の農薬。葉っぱを食べるイモムシ類(ハマキ虫)だけをターゲットにする薬だ。

ということで、できるだけ科学的、客観的に考えれば、農薬犯人説はほぼ成り立たない。もしあるとすれば、それは何十軒もある農家のうちの誰かが別の農薬をつかったことを隠しているかもしれない、という話になる。まさか、そんなことはふつうの農家ならやるはずがない。果樹の授粉を助けてくれるハチを殺して損するのは農家自身だからだ。

そういう状況なわけだが、にもかかわらず養蜂業者側は納得しなかったようだ。どうも信頼感がなくなってしまった。来年度以降の見通しはもちろん立っていない。被害を受けた巣箱1群あたりの補償金3万円。4群で12万。

農薬問題とはべつに、色んな原因でミツバチ自体の数量確保がだんだんむずかしくなっている。オーストラリアからの輸入が伝染病問題でストップした去年までの女王蜂不足よりも、今年はさらに足りないような話も聞こえている。ハチの取引価格も高騰しているらしい。しかも、養蜂業は職業分類上は「畜産」として農水省が所管している。ミツバチは家畜なのだ。農家という点で、他の農業とおなじような悩みを抱えている。たとえば後継者問題、輸入品(ハチミツ)との競争関係があること、など。将来性にもきびしいものがある。


もともと果樹農家は花の時期=ミツバチ導入時期には殺虫剤をいっさい散布しなかった。しかし20年くらい前からだったか、殺虫剤の研究がすすんで特定の種類の虫だけをたたく薬がつぎつぎ開発されるようになった。まず脱皮阻害剤(IGR)と分類される系統、生物農薬(BT剤)と呼ばれる系統だ。こういう殺虫剤はミツバチなどには殺虫効果がないとされて、農家はふつうに使うようになった。これまでも、この種の殺虫剤でハチが死んだという話は聞いたことがない。

一方、最近のミツバチ大量死騒ぎで悪役とされているのがネオニコチノイド系という殺虫剤。これは21世紀になってから世界的に広く使われるようになった。

つづきはあとで。

時をかける少女

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これといってネタもない今日この頃。

tomoyo.jpg原田知世のなつかしい映画『時をかける少女』を見てみる。Gyao
1983年公開ということだから、ちょうど米沢に来る前の年か。まだ東京にいた。もちろん、当時は映画を観ていない。まるっきりの「少年少女映画」、だからね。それに、そのころは仕事に追いまくられていて映画を見る余裕も何もなかった。

H.G.ウェルズの『タイムマシン』もそうなのだが、時間の物語というのは独特の雰囲気をもっているものだ。それを見ている者自身のこころのなかに、自分が持っている時間のいろんな記憶をよみがえらせてくる。松任谷正隆の音楽のせいもあって、妙にノスタルジック。

尾道の風情も昭和そのものだ。わしは生まれが味噌、漬物、佃煮やらの製造卸屋だったから、「吾朗ちゃん」の家の醤油樽がならぶ情景なんかは、どことなく共通する懐かしさも感じる。昭和30年代まで、味噌や醤油や酒粕のにおいのなかで子供のころを過ごしたからだ。

「時かけ」の原作者は筒井康隆。最近『アホの壁』という本を出したので、購入済み。そのうち読む。
追加補足:これ読んでみたが面白くなかった(3月10日)。
なんというか、本来はじっくり考えてある程度の分量でもって文字にする、というのが「正当」なモノの書き方だと思っていたし、今でもそう思う。

ツイッターはそれと正反対なところがある。このメディアはすぐに廃れるのではないか。

ワンフレーズ・ポリティックスじゃないが、こういうことばの断片みたいなもので伝わることはほとんど何もない。むしろ誤解のもと。どうしてこれが新しいコミュニケーション手段になるのだろう?

140文字で相手に何かを伝えられるのは、言葉の天才だけだ。万葉集とか新古今和歌集の世界。

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