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2009年12月アーカイブ

今年、元フォークルの加藤和彦が死んだ。
忌野清志郎も死んだ。清志郎といえば、わしらの年代だとRCサクセションの印象がつよい。
PPMのマリー・トラバースも死んだ。

忌野清志郎はいわゆる「フォーク」の人ではないから、ちょっと置いておいて。音楽をあまりジャンル分けするのはどうかとも思うが、日本でフォークといえば生ギター1本で自作曲をうたうというスタイルだっただろう。ボブ・ディランが教祖かな。その点、PPMのスタイルはまったく違うけれども、当時のふつうの中高生に与えた影響は大きかった。

秋のある日、夜の風呂に浸かっていると、ふと「500マイル」が口から出てきた。なぜだか理由は分からないし、風呂に入るといつも出てくる歌でもなかった。

If you miss the train I'm on,
You will know that I am gone.
You can hear the whistle blow a hundred miles.
そうしたら、その何日かあと、マリー・トラバースが死んだというニュースがあった。

PPM は、1960年代のフォーク・ソング・ムーブメントを支えた柱の一つだった。PPM にはヒット曲も数多い。「悲惨な戦争」「パフ」「レモン・ツリー」「我が祖国」「悲しみのジェットプレイン」。。あの時代、生ギターをちょっとさわった人間なら誰でもが、一度は彼らの歌をうたってみただろう。あの男2人女1人というユニット・スタイルは当時はかなり新鮮なものだった。この「500マイル」は、日本の歌で言えば「北帰行」みたいなものか。地味な歌だが、やはりいつまでも心に残る歌だった。なんと、忌野清志郎も歌っていた。これは細野晴臣と坂本冬美との異色ユニット。

あのフォークの時代は、テレビが歌謡曲とグループサウンズの場だとすれば、ラジオがフォーク・ソングのメディアだった。それも深夜放送が、新しい歌が生まれて育つ場所になっていた。フォーク・クルセダースの「イムジン河」は、なかでもレコード発売直前に発売中止になった歌として、あまりにも有名になったが、この歌もあのころ、ラジオでは毎晩いつでも、どこかの民間放送で流れていたものだった。ラジオが中高生のメディアだった。

その頃、わしは西日本の日本海側にある町で暮らしていた。深夜放送は地元のラジオ局ではやっていなかったから、ラジオのダイヤルを、東京のニッポン放送や文化放送、TBSなどに合わせて聞いた。なにしろ電波が弱いので、夜中12時を回らないと聞こえない。しかも途中で弱くなったり聞こえなくなったりするのが普通だった。「イムジン河」もそんなラジオから聞こえてきた。

そういう土地では、ラジオをつければ北京放送、モスクワ放送、朝鮮放送ががんがんと入ってきた。北京とモスクワはもちろん日本向け日本語放送で、東京からの ラジオ電波などよりはるかに強力、鮮明だったのだ。「偉大な指導者・毛沢東主席」ということばがいつも流れていたのを、いまでも思い出す。

大学は荒れていた。ベトナム戦争が激しかった。清志郎の「500マイル」が心に響かないのは、電気楽器を使ったこともある。けれども、いちばん大きな原因は、歌と時代が結びついていないことだ。「500マイル」は、PPM が歌った時代にこそ生きた歌になりえた。

日本のフォークも、もう完全に懐メロになった。思えば、40年も昔のことだ。今では考えられない、純朴な時代だったか。時間は、はるか遠く 500マイルの彼方に過ぎ去った。日本の若者はラジオさえ聞かなくなった。

昨日でほぼ年内のリンゴ出荷にけりをつけた。
小屋の中も整理して、軽トラックがやっと雨ざらしから解放された。
我が家の軽トラックは1年中、雨風にさらされている。
この雪が積もる季節だけ、家の中に入れてもらえる。我が家でだれよりもいちばん仕事をしているのに可哀想なこと。

景気のあがらない一年だった。市場出荷の売り上げがとくにひどかった。

果物の品質は、
さくらんぼ 前半 ○ 後半 x
もも △
早生・中生洋なし x
晩生洋なし ○
リンゴ ○
品質と売り上げ(価格)はぜんぜん関係ない。

きょうはまた餅つきだ。雨で雪もどんどん少なくなったが、正月は吹雪きそうだ。

雪国らしくなった

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べつに有り難くもないが、雪国らしくなった。ほぼ1週間、雪が続いた。
12月中にこれだけ積もるのも、最近数年ではめずらしいほうだ。年内に屋根の雪下ろしもしないといけない。

きょうは畑に行って枝の雪落とし。
積雪は70センチ前後といったところ。かんじきを履いてもひざ下まで沈むラッセルだった。
そろそろ雪の峠は越えたようだから、あわてなくても良いが、枝に積もった雪は早めに落としておくのが安心だ。あしたも丸1日、かかりそう。
この1週間、天皇会見騒ぎについてはアホらしくて何も書かなかったが、この国のマスメディアはほんと、一から作り直さないとどうしようもないで。

一官僚が天皇の威光をタテにしてものを言う。こんなあぶない話はない。

小沢一郎が新聞記者にむかって言ったことが正論だっただろう。
池田信夫「天皇は超法規的存在ではない」
山口一臣「天皇の政治利用は霞ヶ関のトリックだ」

天皇会見の直前になって内閣を批判して、社会的にも政治的にも外交的にも問題を大きくしておきながら、長官の職に居すわる人物が正当なわけがないだろう。国益もクソもない。国家公務員としての自覚もない。天皇陛下をダシにして宮内庁の「庁益」を守るためだけの小役人。小沢でなくても批判するのは当然だ。

"1ヶ月ルール"を守ることを"政治的中立"を守ることにすり替えて、1ヶ月を切ったから政治的中立が脅かされた、という。こんなのは、ためにする屁理屈と言うべきでしょ。会見の日程調整が絶対不可能だったならそういう主張もあるだろうが、現実には調整は可能だった。ほかに副主席より優先すべき予定があったというなら、話は分かる。そんなものはなかった。2日3日前に突然割り込んだわけでもない。ぜんぶ事務的に柔軟に対処すればいい話だった。それを、あえて会見直前のタイミングで政治問題化させたという意味で、羽毛田氏の意図ははっきりしている。露骨に、ある政治的効果をねらった行動だったと見なすのが普通だろう。鳩山政権へのゆさぶり、民主党の外交政策への干渉。

そもそも、小沢は自分から宮内庁に圧力をかけたわけでもなく、宮内庁長官はいやなら辞表を出せと自分から口出ししたわけでもない。ただマスコミが勘ぐって記者会見の場で質問した流れのなかで、自分の感想を言っただけだろう。その答えをつかまえてマスメディアがたたく。これまた摩訶不思議な、グロテスクな社会状況だ。

最初から小沢を犯人・首謀者に仕立て上げようというストーリーでマスメディアは動いた。たんに小沢が嫌いというだけの理由しか、そこには感じられないだろう。ヤクザが因縁をつけるのと同じ。それもよりによって天皇をネタにしての小沢たたき、というあさましさだ。電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのも、みんな小沢が悪いのよ、ってか。

こういうマスコミこそが、世界でいちばんの傲慢で無責任な「権力」でしょ。「世論」の名をかたって政治家を失脚させるキャンペーンをはることだって平気。公開の場でリンチを加えて無実の人間を破滅させることだって平気。容疑者というだけの人間を極悪人に仕立て上げて、社会的に抹殺するのも平気。

最近の例では、『足利事件当時の新聞報道』
前にも書いたが、数年前の鳥インフルで京都の養鶏農家老夫婦を首つり自殺に追い込んだのも、Y新聞らの「恫喝」じゃなかったか。『鳥インフルエンザと新聞記者』

新聞は訂正も、反省も、謝罪もしない。ファッシズムのお先棒をかつぐのは、間違いなく彼らマスメディアだ。

読売新聞社説「小沢氏記者会見 不穏当きわまる辞表要求」(12月16日)
朝日新聞社説「天皇会見問題 政治主導をはき違えるな」(12月17日)
花岡信昭「小沢氏は天皇よりエライのか」(元産経新聞論説委員)

この人たちは、「なんちゃってゴジラと日米同盟」の文章の最後のほうに出てくる人たちと同一人種だ。アメリカの威を借りて連立政権を脅すは、天皇の名をかたって連立政権を脅すは・・・。花岡某にいたっては、こんな文章で原稿料もらっているのかね。ゼニがもらえるような中身のある評論を書いたの見たことがないなあ、この人。

??????
今年も暮れが近づいた。まあ、この手の、おそまつなマスコミ状況を見せつける話題の多かった一年だったこと。やたら正義を振りかざす、カラスがぎゃーぎゃー群れて騒ぐように、マスコミは今年一年、騒ぎまくった。唖然呆然。思考停止。官僚依存。小沢たたき、テポドン迎撃、豚インフル、公然わいせつ・・・

来年こそ、大新聞、民放マスメディアの55年体制、中央集権体制、護送船団体制が根底からぶっ壊れてほしいと、切に願う年の瀬であることよ。

中国カード

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改めて言うのも白々しいが、小沢一郎が中国カードをつぎつぎ切っている。
とうぜん、これは対中国関係を超えた、対米向けの戦略的パフォーマンスだ。

600人の大訪中団。これを、ニッポンのマスコミは相も変わらず、小沢が自分の権力を内外に誇示している、などという見方しかできないのは、恥ずかしい。ワイドショーのコメンテータの知能レベルだね。

次期国家主席と言われる習副主席と天皇の会見。小沢が要請したかどうか知らないが、このことを、いや天皇の政治利用はけしからん、などとわめいている自民党売国政治家もいて、可笑しい。もっとハイレベルの戦略的発想ができないものかね、石破くんも。彼はアメリカに安全保障のお友達がいっぱいいることを自慢しているような人だから、アメリカ国務省やペンタゴンの宣伝部長が似合っている。

中国カードという意味は、小沢は沖縄問題もふくめて、アメリカに強力なメッセージを送っている、ということだ。今年春の日米日中二等辺三角形論とか、将来は在日米軍は第7艦隊だけでいい、とかいった発言も全部セットで見なければいけない。総理大臣という立場ではなかなか言えない出来ないことまで小沢はやっている。日米安保バカと呼ばれる石破くんのレベルとは相当にちがっている。

きょうはオタナサマで餅をついた。年末にもう一度、こんどは正月用の餅をつく。

例年、餅をつく頃には畑に雪があるものだが、今年は草が青々としている。この秋以降一回も積もるような雪が降っていない。ふじの収穫や畑の冬支度はあまり寒くないので楽だった。これも、楽は楽でいいのだが、どうも季節の実感が乏しい。冬が来た気がしない。良いわけないよな。これは。

NHK テレビの『クローズアップ現代』で果物と温暖化の関係、くだもの異変についてやっていた。ま、あのとおりだろう。目新しい話ではない。果樹農家なら日本全国、何年も前から、だれでも肌で感じていることだ。

NHK オンデマンド

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NHK のオンデマンド・サービス(有料)が、やっと、InternetExplorer 以外のブラウザにも対応するようになりそうだ。Windows の IE しか知らない方にはぜんぜん関係ない話だから、このブログの読者はほとんど興味ないかもしれない。が、これは、マイクロソフトという独占企業をどう考えるかという、ほんとは大事な問題なのだ。

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