炭疽病の激発

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猛暑つづきで、長いブログ記事を書く気分になれず、最近は気楽なツイッターばかり。

tanso1.jpgいちおう、今年は炭疽(タンソ)病が激しく発生しているので、そのことを書いておく。

右の写真はタンソ病にかかった紅玉。黒褐色の円状に腐れが広がる。発病から1日か2日で写真の状態になる。樹上で次々伝染して腐っていく恐ろしい病気だ。

りんごの品種でタンソ病にかかりやすいのは、紅玉が一番。ほかに王林や陽光、つがるなどがこの病気に弱い。

tanso2.jpg右下写真は同じく発病した西洋梨マルギレット。この品種も洋梨類のなかでタンソ病に弱い。

これを防ぐには予防しかない。雨が病原胞子を運んでくる。感染してしまうと、もう発病を止めるのはほとんど不可能。発病すればそこで胞子を作って周りの果実に飛散伝染していく。雨でうつるが、ハエ類などが腐った部分に集まるとこれも胞子の運び屋になる。

yonezawa201006-uryo.png
たいてい6月から7月に感染するから、この時期に殺菌剤を十分かける必要がある。今年はなぜ激発しているのか? 

原因は6月下旬の天候にあったと思う。ちょうどサクランボの収穫最盛期だった。この時期いつもの年では考えられないような土砂降りの雨が何度も降った。左グラフを見ても分かるとおり、時間雨量30ミリという滝のような雨が降っている。観測点は町中なので、山に近い畑ではもっと激しく降っただろう。殺菌剤の効果は流された。

yonezawa201006-kion1.png気温も6月は始めから例年より3度も高い状態がずっとつづいていた。気温グラフの点線が平年値。まったく、病気の感染には最高の条件がそろっていた。

そして、この、長くつづく猛暑の夏。

病原菌の宿主・ニセアカシアについては
『ニセアカシア樹におけるリンゴ炭そ病菌の越冬部位及び分生胞子飛散消長』

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