サクランボと天気のビミョーな関係

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dscf0056.jpg19日に咲いた紅秀峰はもう満開に近付いた(左写真)。

しかし、佐藤錦は21日に咲き始めたものの、イマイチ気温があがらず、24日現在で三分咲きくらいの樹がほとんどだ。

桜桃には樹の個性がつよくあって、同じ桜桃でも花の咲きかたが違うしサクランボのなりかたも違う。早めに咲く樹はもう七、八分咲きになったが、遅い樹はまだ一分以下だ。

dscf0057.jpgどうも今年は、開花期の天候条件がよくない。ちょっと心配がある。

きのうは毛バタキを使って、桜桃の人工授扮をした(右写真)。気温が低かったり雨降りだったり風が強かったりすると、花の受粉に活躍するはずのハチがまったく飛ばないからだ。

この天候とサクランボの豊作不作については、なかなか原因が分かりにくい。以下、過去の不作年を例に考えてみた。

0404_oto_kion.png
右のグラフは、不作だった2004年の気温と開花期の関係を表している。(気温のデータは気象庁の統計)

桃色の部分は花が咲いていた期間で、かつ、ハチが活発に活動する気温15°以上の範囲を表している。

このグラフの中でハチが飛んだのは22日、26日、29日以降だった。他の日は雨または強風でまったく活動しなかった。しかも29日以降はもう開花から時間が経ちすぎていた。つまり手遅れ。いちばん問題だったのは、気温が高く花がどっと咲いた直後に冬型がやってきたことだった(23〜25日)。最高気温が20度も急降下した。22日に受粉した花であっても、雌しべの先に付いた花粉がこの寒さで花粉管を胚まで伸ばせたかどうか、受精が完了したかどうか、怪しかった。

結果は凶作に近い不作になった。ただし、これは米沢のばあいであって、もう数日早く花が咲く東根、天童、寒河江あたりでは、不作にならなかったと記憶している。それらの地域では、寒波が来るまえに受粉がじゅうぶん終わっていたはず。それくらい、きわどいのが桜桃の開花だ。

0304_oto_kion.pngところが、ところが、不可解なのが桜桃というやつだ。分かったようで全然分からないのが桜桃だ。
次の例はその前の年、2003年のグラフだ。

グラフを見る限り、文句の付けようがない、大豊作パターンだ。開花前には雨も降って、畑の水分は十分だった。ところが、結果は不作だったのだ。何ということだろう。この年の花の時期は、晴天続きでマメコバチが桜桃畑いっぱいに羽音をうならせていた。近くの山からはクマバチもぶんぶんと飛んできた。しかし不作だったのだ。わけがわからん、とは、このことだ。


0904_oto_kion.pngさて、今年はどうなるか。25〜27日は雨降りの予報だ。
前半戦はかなりの苦戦らしい。そう見える。
29日あたりで満開になれば良さそうだが。。。

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