みんなのメッセージ！

もう何年前からか、NHK山形では、夕方6時台の番組の終わりごろに 『みんなのメッセージ』 という短い一こまを放映する。山形だけでやっているのか、全国どこでも地方局がやっているのか知らない。

そこでは、県内の小学校の、1クラスだか学年代表だか知らないが数十人が、「ぼくたちは xxx 小学校です。明るく元気な生徒です。イエーーイ！！」　というような自己紹介というか、あいさつをする。放送局の見学にでも来たときに、撮影するのだろうか。

それはいいのだが、十数人だから横に3、4列に並んでいる。そして、前列は、床に尻を付いて両足を前に突き出して、ひざを両腕で抱えている格好だ（これを「体育館座り」とかいうらしい）。そういう格好でテレビカメラの前にでてくる。そして、放送をみている視聴者に「元気な」メッセージを送る。

これを見るたびに、こいつらは何て無礼なガキらだろう、と思ってきた。人前であいさつするのに、相手に向けて足を突き出しているなどというのは、無礼だよな。仲間内に見せるならこれでもかまわないが、不特定多数の他人にたいしてこういう格好でモノを言うことが、どういうことか分からないのだろうか。子供が悪いのではない。ガキめらを引率、指導している教師が悪いのだ。教師のレベルの低さを、まざまざと世間に曝している。こっちの方がはずかしくて、見ていられない。

これまで登場してきた小学校はほとんどが、この無礼なあいさつを何とも思わない教師に「教育」してもらっている学校だ。しかし、たまにそうでない学校もある。前列の子供もひざをちゃんとたたんで前に付いて座るか、しゃがむ格好だ。正座ではないが、それと同等の座りかた（しゃがみ方）だから、嫌な感じはまったく受けない。

床に正座しろというような、アホなことを言うつもりはない。すくなくとも、"体育館座り"は人前でモノを言うときにとる格好ではないだろう。要は、世間一般にどのくらいのマナーが最低限必要か、の常識が問われるのだ。そして、そういう配慮がゆきとどいている学校が出ると、ほっとする。当り前の礼儀を知っている先生も、少なくなったがまだ絶滅していないらしい。しかし、遠からず絶滅する運命にちがいない。。。これが、彼らが発している「みんなのメッセージ！」なのだ。

＊＊＊＊＊＊
体育館座りでは腹に力が入らない、よく言えばリラックス、悪く言えば腰の抜けた弛緩ポーズだ。あの格好では力のある言葉は出ない。腹に力の入っていない言葉なんか、人の心には絶対に届かない。ようするに上っ面だけの、心も魂も入っていないことばしか、あの恰好からは出てこない。そこが一番大事なことを、学校の先生が分からなくてどうするんだよ。