9月4日、山形県当局の指導でリンゴと西洋梨の農薬分析検査が始まった。米沢市、南陽市、高畠町など山形県南部地域の農家を統括する JA おきたま農協が実施主体になって、この地域でいっせいに行われた。米沢市舘山地区でも果樹生産農家が全員、農協の選果場に集合、いくつかの班に分かれて果実を採取した。
数人の班を組んで園地に出向く
園主以外の農家がリンゴを採取
農家ごとに袋に入れた果実を農協の選果場に集める
これに先立って各農家は農協に「誓約書」を提出させられた。内容は「無登録農薬は使っていません。万一自分の果物から問題農薬の成分が検出されたら、それによって地域農家全体がこうむる収入減等の損害を賠償します」といった趣旨のものだ。今のところ幸いにも米沢市の農家で問題農薬を使ったという事実はどこからも出ていない。このまま分析検査でもクロ判定の出ないことを願う。
隣町の高畠や南陽市では数少ないながら使用農家があったことが明らかになって、すでにその農家の果樹園地で全果実の採取と廃棄処分が実行された。使用農家がとくに集中した県中部の東根市では、市長が使用農家の名前を公表する方針を発表した。が、同市では使ったことを認めた農家、認めない農家が入り乱れ、事実関係がいまだにハッキリしない。当分混乱は続きそうで、秋の市場価格への影響は避けられないだろう、という見方をする市場関係者が多い。困ったな。
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