今年は9月の果物価格がわるい。卸売市場でも、早生リンゴや西洋梨は低迷している。 下のグラフは1995年を1とした指数であらわしている。つがるリンゴの毎年9月15日前後の卸売価格だ。
見てのとおり、この10数年でも2番目くらいに安い価格になった。全体の流れを見ると、1995年のレベルをかろうじて上回ったのは4回しかない。波はあるものの、全体としてつがるリンゴの価格が低落をつづけていることが分かる。例外的に指数1を上回った4回のデータを隠してグラフを見てもらいたい。
この価格変遷にはもちろん、リンゴの豊作、不作や台風などの影響が無くはないが、景気との関連はどうか。
右の図は同じ期間の経済成長率の変遷。今年のGDPは出ていないが、去年からの成長率低下が今年のリンゴ価格に反映したと見ることもできる。だいたい景気は半年から1年後のリンゴ価格に反映されるようだ。今年の景気の悪化は明らかなので、これから来年にかけて果物卸市場の価格はさらに低落しそうだ。見通しは厳しい。
右の図の出所は:図録・経済成長率の推移
ところで、去年秋、果物出荷用段ボール箱価格が2割ほど値上げされた。来月はさらに再値上げするという情報がはいっている。肥料価格も値上げだ。農家の手取りは減るいっぽうだ。スーパーや果物店の価格は下がっていないから、けっきょく力のない底辺の農家などだけがしわ寄せを食らっているわけだ。ニッポンの経済構造はこんなもんだ。