この季節に恐ろしいのは霜だ。4月26日の早朝は気温が下がった。4時過ぎに外に出てみると、トタン屋根が白くなっていた。外にある軽トラックのフロントガラスがうすく凍りついた。
つよい低温にさらされると、桜桃に被害が出る。花のめしべが凍って死んでしまうのだ。授粉前にこうなると、受精能力をうしなったその花はもうサクランボにならない。そういう危険が待ち受けているのがこの季節だ。花見気分に浮かれているわけにはいかない。
さいわい今回の霜では被害がなかったようだ。
前日から霜注意報が出ていたので、用心はしていた。霜が降りそうなときは、天気予報が出なくても前日から予感がする。日中は陽射しも弱く気温があがらない。風がある。夕方ごろから雲が少なくなって風も収まってくる。このとき、身体の芯が寒いなと感じる。そういうときが危ない。だから夕方、スプレーヤーのタンクを水で満杯にしておいた。早朝、桜桃の樹全体にスプレーヤーで散水した。水で花を覆って凍るのを防ぐのだ。
霜被害予防でこの他に一般によくとられるのは、霜防止のたいまつを園地のあちこちに置いて、火をたく方法だ。灯油を燃やして対流をおこすことで放射冷却をおさえる。
我が家では10年くらい前に1度、霜にやられたことがあった。めしべが黒く焼けて、その年の結実にかなり影響があったことを覚えている。