業務用の冷蔵庫が壊れた。フロン(たぶん)が抜けてしまった。我が家も地球温暖化に貢献だ。二酸化炭素だけが温暖化促進ガスじゃない。フロンも強力な温暖化ガスだ。もちろん、それよりもオゾン層の破壊が有名だが。
もうフロンは使えないからガスを補充できない。代替フロンに対応した新しい方式/冷媒の機械と取り換えということになった。20年近く使ってきたから、寿命といえば寿命だった。
そもそも導入のきっかけはラフランスを予冷するためだった。 収穫後1週間ほど冷蔵庫に入れておくと、ラフランスの品質がよくなるという農業試験場のデータがあって、一般に予冷が推奨されていた。それは今でも変わらない。
それで10数年、ラフランスを収穫するたびに我が家も予冷をしてきたわけだが、2年前にそれをやめた。味がよくなるという話に、だんだん疑いの気持ちがつよまってきたからだった。人間、科学的データだと言われると弱い。そこに落し穴もある。自分の感性よりも科学の方が正しいように信じこんでしまう。だから、科学信仰にはまらないよう気を付けなくてはいけないのだ。
科学が宗教だということを分かってない人が多い。いや、すべての現代人は、科学は科学、客観的なものであって、心の問題としての宗教とは逆のものだと思っているだろう。まさにそう「信じて」いるのだ。しかし本当か?
科学も宗教もその先祖をたどっていくと同じものに行き着くだろう。(つづく)