初夏のこころ 6月17日

2006年版No.5
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さくらんぼ、準備完了


佐藤錦 6月17日
きのう、桜桃 雨除けハウスの被覆と防鳥ネット張りを完了した。疲れはピーク。

収穫はまだ1週間も先だが、さくらんぼの仕事は8割方終ったも同然だ。全身疲労コンペイトー。といっても次の仕事が待っている。りんごと洋梨の摘果だ。これをさくらんぼ収穫前に片付けておかねばならない。まったく、桜桃は身体に良くない。6月が来ると生命がちじむ。

世の中に絶えて桜桃なかりせば初夏のこころはのどけからまし


ムクドリ攻撃隊と防鳥ネット

こんなふうに、「桜桃は要らない」などと言ってしまえば、果樹農家は食っていけないだろう。単価の高い桜桃は貴重な収入源だ。ムクドリにしてみたって、さくらんぼのない初夏は考えられもしない。もしさくらんぼがこの世になければ、ムクもみずから生きる価値さえ見失うだろう。彼らの生き甲斐は、決死のさくらんぼ狩りにあるのだ。

さくらんぼ農家がせいぜい言えるのは次のような感慨だろうか。

現代語訳:
雨の実割れがなく、ムクドリ、スズメがいなければ、さくらんぼ作りほどのどかな商売はないのだがなあ。

在原業平の歌をもじったWebページ(ホームページ)は、検索するといろいろあるようだ。が、わたしが思うに、「桜」を「桜桃」、「春」を「初夏」といれかえたわたしの作が手前味噌的に一番だね。ハマリどころにぴったりハマっているだろう。

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