ヨーロッパ中部の洪水、中国長江流域の洪水、バングラデシュの洪水・・・。
私はこの季節になるとディラン・トマスの一節を思い出す。
奔流の鮭である太陽の光を浴びて
神がいそがせる夏の終わりに
いま、うねりながら進んでいるこの日、
鳥のさえずりと木の実が絡みあう
ひどくあぶなっかしい岩のうえの
海に揺すられるわが家、
そしてこの詩は次のように結ばれる
神がいそがせる夏の終わりに
わたしの方舟は陽を浴びてうたい
洪水は いま 花を咲かせる。(田中清太郎訳)
英国の詩人ディラン・トマス(1914〜1953)はボブ・ディランに強い影響を与えたと言われている。ボブ・ディランという名前はこの詩人からとったものだ。ディランの『風に吹かれて』なら、音楽ファンでなくても耳にしたことのある人は少なくないだろう。
洪水はもはや誰にも止められないのだろうか。すべては人間自らが呼び寄せたものだが・・
"The answer,my friend,is blowing in the wind.
The answer is blowing in the wind."