きょう、所用があって山形県小国町の玉川方面に行ってきた。そこで見る山の斜面が赤茶けている光景には驚いた。この地域には5年前にも行ったが、そのときはこんなことはなかった。
話には聞いていたが、これが近年、日本海側の山々を中心に急激に広がっている「ナラ枯れ」だとすぐに分かった。ここは、東北のアルプスとも言われる奥深い飯豊連峰の山麓一帯だ。山の中で、知らないうちに異変が進んでいる。それも恐ろしい速さでだ。木の葉っぱが全部赤く焼けたように枯れている。全山、緑に覆われているはずの奥山が、奇妙な光景を見せている。1本2本といった程度ではないことが写真からも分かるだろう。しかも異様なのは、葉っぱがみんな付いたままで枯れて死んでいることだ。葉っぱが落ちてだんだん弱って枯れるのではなくて、まるでそれは突然死でもしたみたいに、立ち枯れている。枯死のプロセスがひじょうに短い時間に起こったことを示しているだろう。
・山形県のナラ枯れ被害状況(平成20年度)
これを見ると、山形県内でも小国町のある西置賜地方でナラ枯れが激増している。置賜でも小国あたりはとくに山が深い地域だ。
ナラ枯れについては以下を参考に:
・『どんぐりの木が枯れていく』〜ナラ枯れの仕組み(金沢大学)
里山のマツ枯れも大きな問題だが、奥深い山で進むこのナラ枯れも相当に深刻な問題だ、と実感できる。これでは、山が壊れる。治山治水にとって大変なことになるだろう。
最新の関連ブログ記事:『ナラ枯れが近くまで来た』(2010年8月10日)