▲ Index

イカレタ日本社会1 ・・・不二家事件[2007/1/15]

不二家が消費期限の過ぎた牛乳を使ってお菓子を作った。 それで社長が責任をとって辞任するのだという。

消費期限とは何か。

・WikiPedia による「消費期限」の解説
・JETRO(日本貿易振興機構)による「消費期限」「賞味期限」等の解説

これを見ても分かるとおり、期限は製造者が決めるものだ。法律が何日にしろと決めているのではない。法律は表示することを義務づけているのであって、表示の中身(何日にするか)を規定しているのではないのだ。

現場の製品を一番よく分かっている人間が、これはなめてみても悪くなっていないから使おう、と判断した。それがなぜ悪いのだろうか。その製品を食べて食中毒をおこした人が一人でもいたのだろうか。 にもかかわらず、それを正義面したマスコミが大騒ぎして叩く。

こういう世の中にしてきたので、消費期限とか賞味期限とかを1日でも、1秒でも過ぎようものなら、もうそれは商品価値が無くなる。価値が無くなる以前にそれはあたかも売れば処罰される対象にさえなってしまう。法律が処罰するか、いわゆる消費者にこびへつらうマスコミが処罰するかの違いはあるが。そして1日過ぎれば皆、機械的に廃棄処分だ。まだまだ食べられるものがほとんどにも関わらず、たった1日違いでもうゴミだ。飽食ニッポン。

いつのころからか、おむすびを握るのにみんなビニルの手袋をはめて作るようになった。あの異様な光景に何の疑問も持たないニッポン人が大多数になったのだろうか。あんな作り方で作ったおむすびがうまいわけはない。素手で、ちょっと汚い素手で握ったおむすびのほうがうまいに決まっているのだ。ちゃっちゃっちゃっと水道で手を洗ったぐらいで、そこに塩を載せて熱いご飯を握る。それでなくてどうするというのだ。ビニル手袋した職人が握った寿司って美味しいんですかね。

消費期限が絶対なのだと、法律にある数字が何よりも正しいのだと、こんなことが正義だと、こんな価値基準が正しいのだと、そんな調子で世の中が進んでいった果てには、おそろしく清潔で、おそろしく気持ち悪く、おそろしく理想的な、安心安全社会が、出来ていくのだろう。そこでは、ちょっと不潔な、しかし美味しく魅力のある食べ物も、すこし汚れた人間も、腐れ文化も、ぜーんぶ切り捨てられてゴミ箱行きになるのだろう。