このページで果物のところに小さいリンゴのアイコンを使っている理由:インターネット検索で「果物屋」をキーワードにしてやって来る人が少なくありません。そういう間違ったお客さんを防ぐために文字の替わりにアイコンを使うことにしました。[ 物 ] は「くだもの」と読んでください。象形文字です。
同じ理由で、ウェブ・サイトの名称も 『注文の多い・・・』 から 『アップル・イン・ワンダーランド』 に変更しました。『注文の多い・・・』 はサブタイトルという感じにしておきます。 [ 2007/1/28 ]
---古い「ごあいさつ」--- 2001年12月吉日
ここは*果物生活向上組*直営の出会わない系サイト『注文の多い物屋』です。知る人も訪ねる人もいない『
物屋』がぽつんと立っているこの草深い山のあたりでは、冷たい風がどうと吹くと今まであったはずの店も何もすべてが消え去って、あとには木の葉が1枚、舞うだけです。そんな実在しない生活向上組合を解説するのもおかしいですが、インターネットの荒れ野をさまよってやっと店の玄関にたどり着いたお客様だけに、「存在しない生活向上組合の存在理由」を説明します。
ちょっとグローバルな気分で、スーパーやデパートの食品売り場へ行けば、当店よりずっと安く、季節を問わずに世界のさまざまな果物が買えるでしょう。あるいは、有り余るお金の使いみちに困っている方は新宿高野か日本橋千疋屋へ、果物を買いにお出かけになることをお薦めします。きっと高級で金ぴかに光る美味しそうな果物があるはずです。それとも最近では、インターネットでピッポッパッとするだけで欲しいものが何でもすぐ配達されてくるのかも知れません。
宮沢賢治に『注文の多い料理店』という名作があります。当サイトもこれにあやかって『注文の多い
物屋』と命名させてもらうことにしました(ちょっとありふれているかな)。あの話を面白おかしい童話としか思っておられない方も多いようです。しかし、顔がしわくちゃになったまま治らない都会のハンターって、いったい誰のことなのでしょうか。あのお話を最後までお読みになったことのある方なら、ここで申し上げている意味がやがてご理解いただけるでしょう。また、『注文の多い
物屋』の運営母体=果物生活向上組が「生活向上」と名乗っているからといっても、いわゆる便利で快適な「消費生活の向上」を標榜しているのではありません。「何が生活向上か」は、ここに来られた皆さんがそれぞれお考えくださると幸いです。
今日、Google や Yahoo! といった便利な道具があります。キーワード「果樹園」「りんご」「サクランボ」などでインターネット上を検索すれば、いろんな知識や情報を手に入れることが出来ます。多数の果樹園、農家がウェブ・ページを開いているのも分かるでしょう。素晴らしいです。頑張ってください。わたしはそんな農家の仲間に入れてもらう気は全くありません。第一、我が家は商売をするためにこのページを開設しているわけではないので、当然のこと注文のためのページも注文用フォームも付いていません。掲示板(BBS)のたぐいも設置しません。不特定多数の方々を相手にするのはめんどくさい、騒々しいのが嫌い、”果樹園・果樹園したページ”にしたくない、といった我がままな理由(これを殿様商売とも言う)によるものです。”果樹園・果樹園したページ”とはどういうのか分かりますか。「わたしがこのりんごを作りました」(にっこり)てな調子の、いかにも素朴で善良、健康な、お百姓さんといったイメージはクソ食らえ、と筆者は思っています。
果物生活向上組は"顔の見えないおつきあい"がモットーです。生産者本位です。農家本位です。つまり、”出会わない系”ですね。果物売り場と勘違いしてここに来た方にはお詫び申し上げます。分けの分からないことを説明してきましたが、お分かりでしょうか。食べて誰かの栄養になることとか、薬になることは何も書けません。せめて毒になることを書けたらなあ。いつも、筆者はそう考えながらこの店を開いています。もし、皆さんが店をのぞいて見てよそとは違う何かをここで少しでも感じてくださるとすれば、それがたぶん当組合の存在理由です。その感想を一言メールでもしてくだされば、筆者はこの上なくうれしく感じるでしょう。そうしたウェブとなることを心より願っています。
さて、当たり前のことですが、農産物は工業製品とは違います。同じものを作れと言われても不可能です。青森や長野のリンゴと山形のリンゴは違い、同じ山形でも米沢産はまた違い、米沢産のなかでも舘山産はまたまた違い、舘山産のなかでも誰それさんの作ったリンゴはまた違い、誰それさんの畑でもこっちの畑とあっちの畑では味が違う。もちろん、さらに天候は毎年全く同じではないので年によって出来が違う。そういうとりとめの無さのなかで一つ一つの果物が育ち、それをたまたま食べて美味しかったと感じてまた買ってくださる方がいるということ、それを大事にしたいと考えます。それは本当にたまたまのことであって、その味の99パーセントは大自然の作ってくれたものだということを忘れてはいけません。農家の努力の及ぶのはたったの1パーセント。その1パーセントに全力を傾けようと思います。もちろんこの数字そのものの意味はあまりありませんが。
なので、ここではなるべく自然の変化、環境の変化が伝わるような内容を多くしたいと考えています。植物にとっては、暑いからといってエアコンのスイッチを入れればいいというわけにいきません。たとえば地球の温暖化というとどこか別世界の話、何年も先の話、のように思われがちですが、もう貴方の食卓にそれは忍び寄っている。というようなお説教はここらでやめにしておきましょう。いずれにしても当組合はつぎのように考えます。
”りんごはメッセージ”・・・・・・・・
お忙しいところ最後まで読んでくださって有り難うございました。
無認可農事組合法人*果物生活向上組*
上のごあいさつを書いて以来、それなりの時間が過ぎました。この間のアクセス・カウントから見ると、いかに人気のない物屋であったかが証明されています(笑)。
それはともかく、地球温暖化は、わずかこの6年間でもはや誰の目にも明らかな形になってきました。2003年地獄の熱波に襲われたヨーロッパ、2004年台風と集中豪雨の日本、2005年記録的ハリケーンのアメリカ、などなど。世界最大の環境テロ国家アメリカとそれに追随するエコノミカル日本は、相も変わらず温暖化促進に邁進しています。沈没していく船の上でどうやったら金がもうかるかという話をしているだけという、情けない今日この頃のニッポンです。
(2007年1月28日)