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詐欺師と教祖様 ・・・『阿Q』の末裔が支える国 [2005/08/25]

小泉氏は詐欺師だろうとわたしは最近まで思っていた。全国版のオレオレ詐欺師だろうと。特に爺さん婆さんがコロッとだまされるという点で、何だか分けがわからんうちに口座に大金を振り込ませられるという点で、抵抗勢力に取り囲まれて苦しんでいる可愛いコイズミくんを助けてやらないと・・そういう心理をうまく利用するという点で、稀代の詐欺師。不良債権処理とか言って銀行預金の利子をまんまとかすめ取ってしまったという点で。

ところが、どうもそういう詐欺師と被害者という関係ではないことにやっと気が付いた。だまされているとか乗せられたとかいう被害意識は小泉支持者に全くないのである。かけらも無い。小泉氏は宗教家なのである。小泉教の教祖様なのだ。悪に汚れきった世界に神から遣わされたいわば救世主コイズミなのだった。最近、小泉教を狂信する日本人の現物を見せられてしまった。小泉支持、これは信仰である。信仰に論理や理屈は要らない。お経があればいい。小泉流お経の数々。信仰だから他からの声は耳に入らない。信者にしてみれば、教祖の声だけが美しく心に響いているのだ。教祖をけなそうものなら信者はたちまち反撃にかかる。彼らは「悪」と戦う。教祖様を守れ!。教祖様に反対する輩は非国民である。

今や小泉教団と創価学会の連立政権だね。ふたつの宗教団体が日本を牛耳っている。魯迅の小説に『阿Q正伝』というのがあった。小泉支持者には上に書いたような「純」正信者のほかに「阿Q」型信者が多数従っているように見える。みんなの後について何か知らないが「改革!、改革!」と大声で唱えていれば幸せになれる人たちが・・・・。このタイプの信者が哀れなのは、自分が叫んでいる「改革!」に自分自身が切り捨てられることを想像もしていないことだ。自分は「改革!」する側だから生き残れるのだ、と。南無阿弥陀仏。

参考:
・阿Q正伝 魯迅 井上紅梅訳
・松岡正剛の千夜千冊 『阿Q正伝』魯迅